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zoom RSS 映画 『この首一万石』 武士に憧れた男を通して、武士社会の非情さを描く

<<   作成日時 : 2018/07/11 08:31   >>

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画像

公開  1963年(昭和38年) 

配給  東映
  
監督  伊藤大輔


字幕と共に「槍は錆びても 名は錆びぬ 昔忘れぬ 落し差し」…

主君を失った武士を歌った槍錆びの行列に

町人たちが沸く場面から物語は始まる。


見事な歌声を披露していたのは

人入れ稼業の井筒屋で働く日雇い人足の権三(大川橋蔵)で

明るい美貌と美声で仲間にも町の人々にも慕われる人気者。

仕事に恋にと、充実した毎日を送っていた権三だが、

恋人ちづ(江利チエミ)と結婚できずにいる現状に頭を抱えていた。


ちづの父親の凡河内典膳(東野英治郎)は由緒正しい武士の出で、

浪人となって身をやつした今も武家的な考えにとらわれており、

娘のちづが人足の権三と結婚することを許すつもりはなかった。

そのため権三は武士になりたいと願うようになる。


しかし、厳しい身分制度の下で

権三が武士になる方法があるわけがなく、

権三はやるせなさを感じていた。

ちづも父親と対立した状態に疲れており、

そんなちづに権三は

「生まれ変わってくる時にゃ、今度は侍に生まれてくる」と

なげやりな言葉しかかけられずにいた。


その頃、井筒屋に小此木藩の大坂伴内(佐々木孝丸)がやってきた。

藩では御出産のたびごとに御胞衣(えな=へその緒)を

お国表の土にお埋めする仕来たりだが、

暮から三月の間に御三方の若君誕生を祝って御胞衣道中をするのに際し、

予算が底をついたので節約のために日雇い人夫を使いたいという。

江戸から九州まで三百里(1178km)以上。


井筒屋では御胞衣道中の希望がないので、くじ引きにし8名を決めた。

それからすぐに、権三は助十(大坂志郎)ら仲間とともに

槍持ちとして旅に出た。

出発の当日、ちづは権三に旅の安全を祈って手ぬぐいを贈った。

権三はちづとの別れを惜しみ、涙をこらえながら旅立ちした。


権三たちを雇ったのは九州の大名で、

わずか一万十七石しかない小此木藩。

人足を雇ったのも経費削減のための苦渋の策で、

権三たちの夕食に晩酌すらつけられない程貧しい経済状況だった。


しかし、藩士の中には身分を気にせず

権三たちに気さくに接する者もいた。

藩士と会話をする中で、

権三は武士になりたいと強く望んでいることを打ち明けるのだった。

東海道を進む権三は、ちづへの愛を誓って女遊びの誘いも断り、

家中の山添志津馬(水原 弘)を感心させた。


だが三島宿の前で生爪をはがした権三は道中から遅れることに。


運悪く、三島で江戸へ下る渡会藩(四十九万七千石)の大名行列と

御胞衣道中が重なってしまった。

先に着いた小此木藩に、

渡会藩が本陣を譲って脇本陣に移るよう頼んだのに対し、

小此木藩の家中は憤然として断り、

小藩とはいえこちらには家康公の命を救った名槍・阿茶羅丸を

抱えているのだと嘘を吐いて、渡会藩を脅したのだった。

だが金を積まれて結局小此木藩はあっさり譲ってしまう。


一方、権三は遅れて三島に到着した際、

ちづそっくりの女郎ちづる(江利チエミ)と出会い、

我慢できずに槍を本陣に立てかけたまま、女郎屋に向かってしまう。

そのとき本陣に人気はなく、

小此木藩は脇本陣に移動してしまった後だった。

権三が違和感を覚えたときにすぐ確認さえすれば

後の不幸は起こさずに済んだのだった〜


一方、小此木藩士から何も聞かされていない人足たちは

突然現れた渡会藩の大名行列に困惑してしまう。

その中には、権三たちの同業者の長兵衛(吉田義夫)の姿があった。

長兵衛から事情を聞いた人足たちは急いで権三探しに向かう。


本陣に入った渡会藩の藩士たちは

権三が立てかけたままにしてある槍を発見し、それを鑑定していた。

その結果、槍はとても名槍とは呼べない代物と判明、

渡会藩の藩士たちは小此木藩がついた嘘に怒り、

すぐに小此木藩に使者をよこすよう伝えてきた。


ところが、そこにやって来たのは

人足の助十と半七(堺 駿二)の二名だった。

藩士ではなく、下郎を遣わされたことに

さらに怒りを覚える渡会藩の藩士たち。

渡会藩側は恐れ多くも阿茶羅丸をでっちあげ話に利用した始末を

つけるよう小此木藩側に要求してきた。


そのため小此木藩の中では緊急に話し合いの場が持たれた。

渡会藩側はお灸をすえることが目的であって、

本気で責任者の切腹を望んではいなかったが、

小此木藩十名は誰も責任を取るつもりはなく

お互い責任の擦り合いばかり。


しかし、真剣に藩士の誰かを切腹させなければーと考えていた。

菅田万騎太(河野秋武)から提案されたのは、

槍持ちは槍を運ぶために雇われているーそれが務めだ。

引っ越し中にその務めを果たさなかった結果

こういう重大な事になってしまった。

責任は権三にある。

岡部勝之進(原 健策)もかねてから侍になりたいと口にしていた権三を

切腹させるというものである。


同じ頃、権三はちづるとの時間を楽しんでいたが、

突然連れ戻されてしまう。


酔っ払っていた権三はなされるがまま武士の髪型に髪を整えらるが、

その後藩士たちの真の目的を知らされ驚愕する。

自分たちの都合ばかり押しつけてくる藩士たちに対して、

権三は自らの手で始末をつけようとしない小此木藩の姿勢を批判する。

しかし、権三に親切にしてくれた山添にまでも諦めるよう促されてしまう。

そして、絶望する権三に藩士たちが次々と襲い掛かって来た。


一方、権三の危険に気づいた仲間たちは長兵衛に助けを求めていた。

人足を人間とも思わない武士に激しい怒りを覚えた長兵衛は、

事の元凶である槍を小此木藩に戻すよう手下に指示、

すぐに本陣から槍は運び出された。


同じ頃、権三は必死に藩士たちから逃れようともがいていた。

なんとか脇本陣の外へ出ると、

権三はそこで槍を運ぶ仲間たちと鉢合わせする。


権三はこの槍を持って藩士たちに立ち向かい、

深手を負わせられながらも仲間の助けを得て

一人一人藩士を仕留めていった。

全員を倒したところで、権三はその場に倒れ込んだ。


権三は片目を失い、体は血まみれになっていた。

そこにちづるが駆けつけ、懸命に介抱しようとしますが、

そこに代官(平幹二朗)が率いる鉄砲隊が現れた。


日頃からつき合いのある小此木藩のために、

代官は今回の騒動をもみ消す考えでいた。

代官はすでに衰弱した権三に何発もの銃撃を指示、

この銃撃でちづるは死に、権三も壮絶な最期を迎えた。


「槍は錆びても 名は錆びぬ 昔忘れぬ 落し差し」…

権三の歌声が響く中、

東海道を進む渡会藩の大名行列が映し出される・・・・・



サムライなんて犬畜生だ!

どうせ死ぬならこの槍で地獄の底へ道づれだ!

美しい富士を背景に、

侍の世界の狡さ、醜さに抗議する槍持ち下郎の姿を、

迫力充分に描いた時代劇巨篇


ラストの大立ち回りは凄まじい。

酔っぱらいの日雇い人足が一人で侍10人を相手に大立ち回りの挙句

突き殺してしまう凄まじさに東映時代劇の華麗さとは違った一面を見た






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