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zoom RSS 映画 『小さいおうち』 元女中が昭和初期に奉公していた先の思い出を綴った回顧録

<<   作成日時 : 2018/06/10 10:47   >>

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公開  2013年(平成25年)

配給  松竹

原作  中島京子

監督  山田洋次

ベルリン国際映画祭 最優秀女優賞(銀熊賞) 黒木 華

日本アカデミー賞 優秀作品賞外9賞受賞


煙突の白い煙が青空に吸い込まれていく。

山形の田舎町の火葬場。

亡くなったのは、大学生の荒井健史(妻夫木聡)の大叔母で

生涯独身を通した布宮タキ(倍賞千恵子)。

孤独死だったという。

親戚は口々に思い出話を語るが、誰も涙を見せない。

粛々と死を受け止めている。


物語は、生前のタキが親戚の健史に促され、

大学ノートに自叙伝を綴る現代と、

回想の中の過去とを行き来して進む。


遺品の中には赤い三角屋根の家の絵があったが、

健史の父(小林稔侍)の一言で処分される。

そのうち、健史宛ての品が見つかる。

開けてみるとタキが健史に促されて大学ノートに書き記していた

自叙伝があった。


健史はそんなに明るい時代じゃなかったんじゃないのーというが、

タキには未来に満ちた時代に思えたのだった。

恋愛の話も書いてよ、という健史だったが、

タキはそんなのはなかったといい、生涯独身を貫いたのだ。


昭和11年、タキ(黒木 華)は山形から上京し小説家の女中となるが、

その後、本郷の小説家(橋爪 功)の妻(吉行和子)からの紹介で

おもちゃ会社の常務をしている平井家へ奉公に上がる。


平井家は東京府東京市大森區の丘の上にあった、

昭和10年に建てられたばかりの

少しモダンな赤い三角瓦屋根の小さいおうちだった。


やさしい旦那様・平井雅樹(片岡孝太郎)と

その妻・時子(松たか子)―美人でやさしく、

『風と共に去りぬ』を愛読する聡明な女性、

そしてかわいらしいが小児まひになった息子・恭一らとの

穏やかな暮らしが続く。


だが、楽しい日々は、

平井家に招かれた旦那様の部下で、おもちゃ会社に新しく入った

芸大卒の青年・板倉(吉岡秀隆)の出現で状況は一変する。


板倉は平井家にストコフスキーのレコードを見つけ、

彼が出演したディアナ・ダービン主演映画『オーケストラの少女』の話で

時子と話が盛り上がる。


夫が仕事で行けなくなった演奏会に1人で出かけた時子は、

会場で偶然板倉に出会い、

板倉は帰りに近藤書店で買った『タンクタンクロー』を恭一の土産に渡す。


台風が来た時、雅樹が出張先から戻れないことを報せに駆けつけた際には、

2階の雨戸が壊れているのを固定した後で一晩泊まっていった。


おもちゃ会社の存続のために板倉を打算で結婚させようとする平井は、

時子に板倉の説得をするように言う。

そのため板倉の下宿に通ううちに時子の気持ちが揺れ、

板倉に思いを寄せてしまったのだ。

タキはその狭間で悩んでしまう。


病弱ゆえに丙種合格で徴兵されなかった板倉も、

戦況悪化とともに徴兵される赤紙が届き、

平井家に別れの挨拶に来てそそくさと帰ってしまう。


翌日、餞別を贈りに行こうとする時子をタキが説得して手紙を書かせる。

その手紙を託されたタキはある決断をする。

その日、板倉は現れなかった。


戦局とともにタキは田舎に帰るが、

後に東京の様子を確認するために山形から上京したタキは

東京大空襲で平井と時子が防空壕で抱き合って焼死したことを知る。

その後、みんなどうなったか、タキは号泣してしまい、

分からずじまいだった。

「私、長く生きすぎたの」と述懐することもある。


タキの死後、遺品の中から封がされたままの手紙が出てくる。

大学を卒業した健史は書店で恋人(木村文乃)から

絵本『ちいさなおうち』をプレゼントされ、

店内の「イタクラ ショージ」の展覧会のポスターを目にする。


調べてみると板倉が戦争を生き延び、画家になったことを知る。

イタクラの記念館には赤い屋根の家が描かれた作品があった。

板倉は独身を貫いたようだった。

3年前に平井家の息子と連絡をとったことがあると

学芸員に聞かされた健史は、恋人と共に彼の住む石川県に向かう。


既に盲目となり、歩けなくなった恭一(米倉斉加年)は

健史が持参した手紙を開封して読んでもらう。

「今日のお昼過ぎ一時ごろにお訪ねくださいませ。

どうしてもどうしてもお会いしたく思います。

必ずお訪ねくださいませ」と書いてあった。

それを聞いた恭一は「この歳になって母親の不倫の証拠を見るとは」

と嘆いた。


海岸を3人で散歩する中、

恭一が海が好きだ、昔よく板倉とタキに江ノ島に連れて行ってもらった、

二人はお似合いだったよ、とポツリ。

皆でタキのその時の気持ちを噛み締めるのであった・・・・・



時子を巡る恋愛事件や時代の空気の変化が、

小さいおうちの中に影を落とし始める様子が

静かだがしっかりと映し出されている。


タキは晩年まで平井家でのある行為を悔いて生きてきたことが

最後に分かる。

その罪が浄化されるラストは胸が熱くなる。







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