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zoom RSS 映画 『汚れなき悪戯』 無垢な子どもに訪れた、神の奇跡を描く

<<   作成日時 : 2017/12/16 09:26   >>

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制作年  1955年

制作国  スペイン

監督   ラディスラオ・バホダ

出演者  パブリート・カルボ、ラファエル・リベレス、ファン・カルボ


祭礼のために丘の上の寺院に向かう人々の流れと逆方向に歩き、

町に住む病気の少女を見舞う無名の神父の話で始まる。

彼は今日の祭りは何を記念するものか知っているかと少女とその父親に問い、

祭礼の起こりを語りだす。

神父は、今日は聖人の祭日で、聖マルセリーノの日であることを少女に話し、

子供たちのためのお話で、そして両親のための話だと告げる。


昔 この小さな土地が、みんなが暮らしているこの村は、

フランス軍に占領された。

今 村人たちが集まっている丘の上に、

フランス兵が潜みそこから狙撃してきた。

家々に火を放ち穀物を焼いた。

だがスペイン人は抵抗した。

勝利はしたが土地は荒れ果てた。

それでも敗北よりいい。

穀物は再び実った。

傷ついた木々は芽吹き、焼け落ちた家は再建されすべてが蘇ったー

ひとつを除いては。

かって ある貴族が所有していた館だけなぜ再建されなかったのか?

たぶん村の共有財産だったからだろう。


数年後 3人のフランシスコ会修道士が村に現れ村長に申し入れた。

私たちは今は3人ですが、館の跡地に修道院を建てれば、

修道士の数も増え村人の役に立てるでしょうーと。

村長は、村には修道士が必要ですーと許可をした。

3人で始めた工事は大勢の村人が手伝いを申し出、完成にこぎつけた。


歳月が流れー修道士はいつしか12人になっていた。

彼らの たゆまぬ献身でー修道院は堅ろうであるばかりでなく、

美しい建物になった。


ふだんと変わりないある日の朝―門番の修道士は死ぬほど驚いた。

生まれたばかりの男の赤ん坊が捨てられている!と仲間に知らせた。

洗礼名はその日の守護聖人の名前「聖マルセリーノ」から

「マルセリーノ」として洗礼を施した。

そして皆で手分けして村に行って探った。

その結果、ほぼ2か月がたったとき

両親は既に亡くなっていたことが判ったので、

修道士たちは近隣に里親を求めて歩き回った。

しかし適当と考えられた人々の生活は苦しく、

また引き取ると申し出た鍛冶屋は徒弟を乱暴に扱っているため

修道士の方で断り、結局赤子は修道院で育てることになった。


そのため、修道士達は決心して赤ん坊を皆で一緒に育てることにした。

世話をする役割分担も決めた。

修道士らは、工夫を凝らしながら、心をこめた愛情を赤ん坊に注いだ。


5年の後、マルセリーノ(パブリート・カルボ)は、元気な子に育った。

修道士にあだ名をつけー

修道士たちは もはや名前で呼び合わずあだ名で呼んだ。

病気さん、台所さん、門番さん、鐘つきさんと目に映ったままの名前で。

少年は修道院の喜びであり、時には嘆きとなった。

純真な心を持っているが、いたずらっ子。

台所で 食堂で 礼拝堂で修道士たちはー

いたずらに悩まされながら、いつもそれを大目に見ていた。


少年は12人の修道士とどんな生活をしていたか?

ここで「マルセリーノの歌」が流れる〜

優しい夢をごらん マルセリーノ

やがて明ける一日のために

12人の修道士がお前を守り

悪から遠ざける ・・・と10番まで続く。        


ある日、僧院の前で旅の農夫が荷馬車を修繕していた。

この時、マルセリーノは農夫の若妻に出会い、他愛も無い会話をする。

若妻は、父がいるのかとマルセリーノに問うと、彼は「12人いるよ」と答える。

お母さんは?と聞かれると「1人もいない」との答え。

若妻は、「自分にも二人の男の子がいて、

上のマヌエルの年はあんたと同じくらいだ」と教える。

マルセリーノは、その時は会えなかったが、

同じ年頃のマヌエルを頭の中で友達にした。


こうして、マヌエルは一人遊びをするマルセリーノの親友になった。

独り言を言いながら、マルセリーノは見えないマヌエルに

自分の宝物の説明をした。

そして、マヌエルの優しい母親を思い出しては、

自分の母親はどんな人なのだろうと考えるようになる。


元気に外で一人遊びするマルセリーノに、とんでもない事件が起きる。

石の陰にいた蠍(さそり)が彼の足を刺した。

悲鳴を聞いて駆けつける修道士達。

外で遊びなさいと叱った「台所さん」は、後悔することしきりであった。

高熱で苦しむマルセリーノ、

だが修道士たちの手厚い看護によって、彼は再び元気を取り戻す。


賑やかな村祭りの日、一人の修道士と共にマルセリーノは村に行った。

少年のちょっとした悪戯は、

思いがけぬ大混乱に発展、村民の負傷者まで出た。

前村長の後を継いだ新村長は、あの例の鍛冶屋だ。

彼は、これを僧侶らに対する攻撃材料とし、

1ヵ月以内に修道院退去を命じた。

修道士たちは、失望に陥る。


何も知らぬマルセリーノは、一人で空想のマヌエルと遊ぶが、

修道士達が不機嫌そうだし、相手にしてくれないので寂しい。

それで、何とはなく古い階段を上がって、2階の納屋を探検してみようと思った。

この階段に近づいてはいけないと厳しく禁じられていたのだが・・・。


農機具や保存食料を置いた納屋奥の小部屋に、

おっかなびっくりで入って行くと、

壁に取り付けられた十字架上に等身大のキリスト像を見つける。

最初は驚いたが、マルセリーノが小窓を開け、明るい中でよく見ると、

茨の冠をかぶったキリストは痩せ細っているし、

随分お腹が空いているように見えた。


可哀想に思ったマルセリーノは、1階に降りて物陰に隠れ、

台所にいる「台所さん」に大声で呼びかける。

呼ばれた「台所さん」が台所を離れて表に出た隙に、

マルセリーノは一切れのパンを盗んで2階の納屋奥へ取って返す。

そして目を輝かせながら、

そのパンを「お食べなさいよ」とキリスト像へ差し出す。

静かにキリスト像の右手が動き、マルセリーノからパンを受け取る。


それからのマルセリーノは、飢えと寒さに悩むように見えるキリストの許へ、

パンやワインを繰り返し運ぶ。

キリストは、十字架から降り、マルセリーノの準備した古椅子へ座って、

パンを食べながらマルセリーノに優しく話しかける。

「私が怖くないかね?」ー「うん」

「私を知っているか?」ー「うん 主イエス様」

「お前はよい子だ 感謝する」ー「みんなは悪い子だって言う」

「マヌエルはどう言う?」ー「知ってるの?」

「彼は喜んでいる」ー「うん あなたの話をするよ」

キリストは、ワインを浸した指でマルセリーノの小さな頭に触れ、

「今からお前は❝パンとワインのマルセリーノ❞」と言う。

「いいね」とマルセリーノは喜ぶ。

テーブルの上にあるマルセリーノの手にキリストは上から手を重ねる。

マルセリーノは、キリストの頭にある茨の冠を外してやり、

「これ・・・痛かった?」と言う。

キリストは、「とても」と応える。


嵐の晩、2階に登って来たマルセリーノは「怖がってないか見に来た」と言う。

「お前は怖くないのか?」ー「怖いよ」

「そばにおいで」ー十字架のキリストの膝に頭をつけたマルセリーノ

「雷鳴が近づいてくる」ー「今はもう怖くない」と答える。


マルセリーノの変化と食料がなくなることを心配した修道士たち・・・

ある晩、マルセリーノが食料を2階に運ぶ後を「台所さん」がつけてみた

キリストは「お前はとてもよい子だ マルセリーノ」と静かに話しかける。

「ご褒美に望みをかなえてあげようか 言ってごらん 

修道士になりたいか? 台所さんや修道院長のように

マヌエルと遊びたいか?」ー「お母さんにあいたい あなたのお母さんにも」

「今 会いたいのか?」ー「そう 今すぐ」

「眠らねばならない」ー「でも 眠くないよ」

「来なさい 眠らせてあげよう」ー「いいね」

と古椅子に座っていたキリストは優しくマルセリーノを抱いてあげた。

「お眠り マルセリーノ」

こうして、マルセリーノは永遠の眠りについた。

その周りには、何処からともなく穏やかな光芒が射し掛けていた。


この奇蹟の一部始終を覗き見した「台所さん」は、

涙を流しながら修道士達を大声で呼ぶ。

彼等は階段を登って、キリストに抱きかかえられながらマルセリーノが

昇天する姿を声も無く見守る。

神の行う奇蹟に、彼等はただ畏敬の念を抱くのであった。


この事件は、たちまち村中に伝わり、マルセリーノの葬式には、

業突くな町長(鍛冶屋)を始めとして、総ての村人が神妙に参加した。

それ以来、この日は「パンとワインのマルセリーノ祭」の日となった。


話し終った修道士は、ゆっくりと僧院へ戻り、改めて教会の祭壇前に膝まずく。

そして、マルセリーノと優しく対話したキリスト像を見上げながら、

神の与えた奇蹟に深い思いを寄せるのであった・・・・・


5歳の少年のあどけない振る舞い、この子を心から慈しむ12人の修道士たち、

十字架のキリストを可哀想に思う少年の率直な思いやり、

彼が抱く母親への憧憬―

この作品は宗教を越えて人の心の優しさを示した珠玉の名画と思う。


マルセリーノを演じたパブリート・カルボ少年は、当時6歳であった。

子供のありのまま、自然な姿を演じ、多くの人々の共感を呼んだ。

彼は、2000年に逝去したけれども、マルセリーノ坊やの映像は不滅である。




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