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zoom RSS 映画 『巨人と玩具』 消費社会の狂騒を描いた小説の映画化

<<   作成日時 : 2017/11/10 16:39   >>

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制作年  1958年(昭和33年)

配給   大映

原作   開高 健

監督   増村保造  

出演者  川口 浩、野添ひとみ、高松英郎、伊藤雄之助


都心のある大きな駅の出口から、今日も群衆が無限に吐き出される。

駅前広場にはワールド製菓のビルがある。

大勢のサラリーマンが出社してくる様をビルから見て、

ワールド製菓の東専務(山茶花究)は、矢代宣伝部長(信欣三)に、

これだけ人間がたくさんいるのだから、

もっとキャラメルの売上げは伸びるはずだとハッパをかけている。


ワールド製菓は、ライバルのジャイアンツ製菓、アポロ製菓と、

三つ巴の熾烈な宣伝競争を繰り広げていた。

特に、各社が何を特売用の景品にするかで売れ行きが違ってくる中、

ワールド社内は迷っていたのだ。

矢代は、部下の合田宣伝課長(高松英郎)の合図で胃薬を飲む。


同族会社であるワールド製菓で、

課長になっている合田は、部長の妻と結婚したからだと、

宣伝部の連中が新人の西 洋介(川口浩)に対して陰口を叩いている。

西は宣伝の鬼といわれるやり手である上司の合田を尊敬していて、

彼とともに売り上げが落ちてきたキャラメルの広告宣伝に、

新手を考えだす必要に迫られた。


そんな西を外へ連れ出した合田は、

喫茶店のショーウィンドーを覗き込んでいる虫歯のおかしな女の子を見て、

彼女を連れて来いと命ずる。

しかし、見事にふられた西が元の席に戻ってみると課長の姿はなく、

少し遅れて先ほどの女の子を連れて帰ってくる。


タクシー会社に勤めている島 京子(野添ひとみ)というその娘、

虫歯だらけのありきたりの小娘だ。

ペロッと出す長い舌と、驚いたような笑い顔が変っていた。

そんな娘をトレードガールの素質ありと見込んだ合田は、

その日から、西を彼女の付き添い人になるよう命ずるのだった。


西は久々に学生時代の友人、横山(藤山浩一)と再会したので、

懐かしい「歌声喫茶」に出かけてみるが、今一つ、昔ほどの感慨は湧かない。

それに横山は、何とライバル会社のジャイアンツ製菓の宣伝部にいるという。

友人同士の気安さから、相手のキャラメルへの特売用景品が何なのか

探りを入れると、生きた動物だとの答えが得られる。


その後、横山馴染みのバーに出かけ、そこでライバル会社の一つ

アポロ製菓の宣伝部に勤める倉橋雅美(小野道子)を紹介された西は、

彼女に対しても景品の探りを入れると、

言いアイデアがあるから買わないかという。

試しに聞いてみると、宇宙服という新鮮なアイデアだったので、

それをそのまま合田に伝えると、彼は感心しながらも、

実は自分も半年前からそのアイデアを練っていたと答える。

企画会議で提出された合田のアイデアは、すぐに承認されることになる。


一方、女性専科のカメラマン春川(伊藤雄之助)に写してもらった京子の写真は、

「キャメラ・アイ」という雑誌に掲載され、彼女は一躍注目を浴びるようになる。

他のマスコミ各社も、彼女を取材しはじめた頃を見計らって、

合田は、社のトレード・キャラクター決定会議で、

京子の存在を役員たちに明らかにし、彼女を使うことを重役連に承諾させた。

彼は社を自分の思惑通りに運び、いよいよ特売合戦だ。


その頃、ライバル同士というより、一人の女性として雅美に気があった西は、

何とか彼女にアポロの新景品のことを聞き出そうとするが、

何も答えを得られないどころか、逆に、京子のことをもらしてしまう。


しかし、無事、京子はワールド製菓のトレード・キャラクターとして

契約を交わすことになり、京子は今まで勤めていたボロ会社を辞め、

宇宙服を着て、ポスターやテレビで笑い始めた。

虫歯がかえって効果的だった。

彼女の活躍の場は一躍テレビやラジオにまで及ぶようになる。


ライバル会社の方も宣伝を開始し、

ジャイアンツはターザンのような格好をしたヒゲヅラの男と、

生きた猿たちを前面に押し出したキャンペーン、

一方、アポロは「乳母車から婚礼セットまで、生活資金」という

現実的で卓抜なアイデアを発表し、

合田はその発想に負けたことを内心直感する。

アポロが一頭地を抜いた売り上げを示した。


京子は、洋介に前からずっと好き、恋人になってと言ったが彼は断った。

そのため京子は洋介に二度と会わないと言って離れて行った。


ある日、アポロの工場が全焼し、キャンディのストックは全くなく、

しかも再建に6か月かかる見込みという事態になった。

ワールドはその足をすくうように大増産を始めた。

まるで空巣狙いだ。

合田は大増産に反対する義父の矢代部長を追いやり、自分が部長になった。


しかし莫大な宣伝費にもかかわらず、キャラメルはちっとも売れない。

小売店が乱売を始めた。

景気づけに宇宙展の会場に京子を配することに合田は決めた。

呼ばれてきた京子は以前の少女ではなかった。

気取った歩き振りの、飾りたてた女であった。

彼女の両親も長屋を引っ越したという。

京子は合田の申し出を断った。

契約にそんな箇条がないからという。


合田は洋介に彼女を色仕掛で抱きこめと命じた。

同時に彼は疲れから吐血した。

西は京子の歌っている劇場に行き、

そこで親友・横山が彼女の黒幕、マネージャーになっているのを知った。


今さら、京子を連れて来て何になる。

叫びわめいてどうだというのだ。

“怪物”の中で消化されて機械のように無慈悲な人間になるだけだ!


洋介は会社へ帰ると合田をののしり、彼を尊敬していたのを口惜しく思った。

彼は、やにわに宇宙服を着ると、雨の中を外へ出た。

近づいてきた雅美に目もくれずに。

その奇妙な姿を、通りすがりの人々は黙々とすれ違っていった・・・・・



製菓業界内の駆け引き・興亡を書いた「巨人と玩具」。

過酷な会社の宣伝競争の中で変貌していく人間模様がよく描かれていました。


作者の開高さんはサントリー宣伝部にいたので、

広告宣伝分野はかなり詳しかったのでしょうね。


昭和30年前後は、キャラメルやお菓子などの製品には

おまけがついていたのを思い出しました。

グリコやカバヤなどをよく買いましたっけ・・・



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